ハーロウ・カー Harlow Carr
ハロゲート(Harrogate)のお目当ては2つ。ベティーズ(Bettys)のクリムティーとハーロウ・カーだ。
クリムティーの時間には少し早いので先にハーロウ・カーを訪れる。
ハーロウ・カーは王立園芸協会(The Royal Horticultural Society RHS)のガーデンだ。王立園芸協会は”ガーデニング・園芸の奨励”を目的とする慈善団体で
総裁はエリザベス女王が務められている。1804年にロンドン園芸協会として始まり1861年に王立園芸協会となった由緒・歴史ある団体だ。
会員数は世界で約37万人という。日本支部もあるようだ。幾つかのフラワー・ショーを開催しているが、最も有名なのはチェルシー・フラワー・ショーだ。
他にもウィズリー(Wisley)、ローズムーア(Rosemoor)、ハイド・ホール(Hyde Hall)の3つのガーデンがある。私達はウィズリーに1回、
ローズムーアに2回、ハーロウ・カーも2回目だ。ハイド・ホールはまだ訪れていないが、いつの日かその機会が来るだろう。
エントランスにここの果樹園で収穫した90種類ものリンゴが展示されている。リンゴに直接その種名が記されていた。色・大きさ・形が多様だ。
イギリスには数百種のリンゴがあるという。ニュートンが重力を発見したのが頷ける・・・? 甘い香りが漂っている。
最近イギリスのガーデンで流行っているのが柳の枝を編みこんで様々な造形物を造る手法だ。"Willow Weaving"と呼ぶらしい(写真下左から2枚目)。
その元祖がここハーロウ・カーで、教室も開かれているという。柳のしなやかさを生かした優美な曲線が素敵だ。園内各所に見られる。
ハーロウ・カーは2001年に"Northern Horticultural Society"と合併して再設計されて変化しているようだ。05年に訪れた時より格段に拡張されている。
05年には見られなかったエリアに向かう。RHSの創立200周年を記念して2004年に造られた"Gardens Through Time"だ。
19世紀当初のタウンハウスから20世紀後半のアウトドアー・ルームまでのガーデンの変遷を7つのガーデンで表しているコーナーだ。
BBCがシリーズで放送したもので良く知られている。ということを帰国後知った。
RHSはガーデニングの普及が目的だから訪問者に色々なガーデンを提示しているものと思って見ていたのだ。それでも大きな間違いではないだろう。
ホームページに"Find inspiration for your garden"とある。私も"inspiration"を見つけよう。
そう知ってみると、上右から2枚目は19世紀当初のタウンハウスであったのだろう。下左2枚は20世紀初頭のコテージガーデンだろうか。
そして下右から2枚目もコテージのキッチンガーデンのようだ。細かく区分された仕切りがコンクリートの壁のため、どのガーデンも趣に欠ける。
フラワー・ショーの恒久版といった雰囲気で感心しない。その証拠に写真が少ない。
上述のようにRHSはガーデニングの普及や情報発信が目的だから"Learning Centre"と"Teaching Garden"を備えている(2010年完成)。
ここでは大人だけでなく、子どもへの教育にも力を入れているようだ。さすが”庭師の国”のRHS、女王様を総裁に戴くだけのことはある。
また"Library"も併設しているし、様々なワークショップも開かれている。しかし、英語力不足の私には立ち寄っても無駄だろうと通過する。
地植えだけでなくコンテナの寄せ植えも見られるがスケールが大きい。子供ならかくれんぼができそうだ。
池の端に静かに佇む少年の像は手にアヒルの子を持っているのだ(写真上右から2枚目)。何かほのぼのと温かいものを感じる。
"Main Borders"を歩く。幅5mほどの芝の通路が長く伸びており、左右に交差する通路とに仕切られた部分には素晴らしい植栽がなされている。
ここには1万8千種以上の植物があるという。そしてこの北の地にどんな植物が合うのかを教えているのだ。
写真下左はMain Bordersの真ん中あたりから"Plant Centre"方向を眺めている。
Main Bordersの突き当たりはガーデンの何倍もの森が広がる。この森の木の種類も豊富だ。森の道を進むと"Old Bath House"に出た。
ここでは18世紀に温泉が見つかり、19世紀にはBath Houseが建てられ人々が温泉を楽しんだ名残だ。ここにベティーズのティールームがあった。
エントランスにもベティーズがありどちらも混雑している。この後訪れる予定のハロゲート本店の混雑が気になる。
戻ってくるとキッチンガーデン(Kitchen garden 写真下左)がある。その植栽も実に豊富だ。 その隣にセンテッドガーデン(Scented Garden)が現れた。
色々植栽されていたはずだが、写真はバラだけだ。上右から2枚目はここの200周年を記念してデビッド・オースチン(David Austin)から創出された
"Harlow Carr"だ。素敵な香りがする。
最後はアルペンハウス(Alpine House)2009年に出来たばかりの温室に2000本のアルペン植物が植えられている(写真下右)。
出口へはプランツ・センターとショップを通らなければならない。持って帰れないと分かっていてもつい見惚れてしまう。
反動だろうかショップで種を11袋も求めてしまう。陽だまりへのお土産だ。娘へのお土産にクリスマスツリー・アドベントカレンダーも求める。
Address | Crag Lane, Harrogatehg HG3 1QB |
Telephone | 0845 265 8070 |
Web Site | Harlow Carr |
オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは
Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。
「旅行記」もご覧ください。